
自然を再現する、この10坪あまりの空間に、美しい山の景色を切り取って遷したい、という思いで工事にかかりました。
まずは建物と外構と庭との一体化をはかるため、積み足したブロックに左官をかけ、建物と同系色の吹付塗装をしました。そのブロックの上には建物の意匠として用いられている縦格子のウッドフェンスを設けて、坪庭の部分を囲いました。そして、L字形のデッキと石のテラスを設けました。デッキのカタチは建物の凹み部分に合わせてつくり、テラスはガレージからの階段の幅と同じ幅にしてデッキのカタチに合わせて、L字形にしてぐるっと建物周りに敷いていきました。
ここまでの構造物は、すべて残された7坪の空間に自然を生み出す為のデザインです。建物側からの視点で考えいった構造物はスマートに建物と庭とを繋いでくれます。
土を盛り、石を組み、雑木や山野草を植える。雑木の庭をつくるにあたって、その一連の行為にはルールは存在しません。しかし、その場所の環境に合わせていくことが一番のセオリーです。あとは、自分が解釈する自然のリズムを植栽にも石組みにも徹底させることが重要だと思います。
今回「雑木の坪庭」ではスペースの広さを考慮して、成長した後も、5〜6mの高さでその柔らかいフォルムを維持できる雑木を必要最低限に植栽しました。5年後が楽しみです。
建築の新築工事に伴う造園、外構工事の場合、事前に念入りにそのつなぎ目部分の打ち合わせを建築サイドとしておく必要があります。とくに私達の場合、お客様から直接お話をいただくことが多いので、特に気をつけて引き継ぎをしてもらいます。今回の場合、ガレージから庭への階段が当初真ん中にあったものを、一番端に変更してもらい、庭の背景のウッドフェンスがずっと通るようにしてもらいました。あとはそれに伴う立水栓の移動もお願いしました。
建築から引き継いだ後、更に3段ブロックを積み上げて、内側の庭のほうに70㎝程度の築山を設けました。建物の凹みに合わせて、ウッドデッキをつくり、階段の間口の幅でインドネシアの透水石をぐるっと敷いて、アプローチ兼テラスにしました。ブロックに吹付け塗装をして、縦格子のウッドフェンスでお庭を囲いました。ここまでは建物の意匠に合わせたデザインを心がけて、モダン和風なデザインに仕上げ、この先に造りあげてゆく「雑木の坪庭」とのコントラストがでるようにしました。
雑木の庭において、植栽とともに重要な役割を担うのが、石組みと水景です。なるべく自然な仕上がりで流れや湧泉をつくることによって、よりリアルな景色が生み出されます。水景があることによって、夏場の乾燥を防ぐことができ、空気を冷やしてくれます。それは夏の熱さが苦手な雑木にとって、すごく重要な手助けになります。石を据えることによって、地中に埋められた部分で雑木や山野草の根が冷やされ、成長を促します。