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Yz邸:「雑木の庭」は生きている。


 8年前に、輪鼓装飾店が初めて本格的な雑木の植栽に取り組んだお庭です。ここでの8年間の経過が私達の雑木の庭づくりの土台となっています。
蓼科や軽井沢の別荘地にいるかのような雰囲気のするお庭”のご依頼をいただき、真剣に雑木の庭の植栽に向き合った仕事です。
 これ以前からも、雑木を使った庭は造ってきましたが、自然に生えているかのように植栽をしてゆく技法の違いに戸惑いながらも、その奥深さに感動を覚えた経験が今も忘れられません。おかげで「雑木の庭」を探求してゆくことが、自分にとってのライフワークとなり、その思いは尽きることがありません。
 それでは「雑木の庭」と「雑木を使った庭」は何が違うのでしょう?
一番の違いは主役不在の植栽レイアウトが挙げられます。シンボルツリーは必要ありません。一本一本カタチの違う、曲がった木を組み合わせることによって、緑の心地よい空間が広がります。ヒントも答えも全て自然というお手本の中にあります。自然を再現すると言葉にしてしまえば簡単なことですが、人の手によって造り出されたものを、人の手によってその手沢を落としていき、さもあったかのように自然に戻してゆくという行いが必要になります。



 ディスプレイのようにただ木を植えてゆくだけでは、決して良い雰囲気を醸し出すことはありません。大切なのは、木を植えるその場にあった、樹種選択やレイアウトをしてゆくことに尽きると思います。日のあまり当たらない場所で育った下枝のない雑木を、日のよく当たる場所に単独で植えても間違いなく育ちません。同じことはツリバナやナツハゼのような低木を植えるときでも同じことが言えます。雑木の庭=理(ことわり)の庭です。自然の理を守らずして、最良の結果は生まれません。
 この8年間の中で、当初3m50㎝程度だった高木達も、今では5m程に成長しました。これは成長が早いと言われる、雑木にしては随分緩やかなペースです。剪定の仕方によってある程度成長を促したり、押さえたりすることができます。ここでは、最初の3年間はすっーと枝が伸びるように成長を促す剪定をしてゆき、それ以降は成長を緩やかにするための剪定を試みています。雑木の剪定で絶対してはいけないことは枝先を切り詰めてしまうこと、このことによって木が刺激され、より強い枝が出てきます。そうなってはフワッと柔らかい雑木のフォルムは戻ってきません。木が切られたかどうか気づかないような位置で切ってゆくことがポイントです。
 10m〜15mの木立が許される余程広い場所でない限り、自然のままにほったらかしの状態では、すぐにスケールアウトしてしまいます。
 木を植える環境をしっかりと把握し、将来的にどのくらいの高さまで大きくできるかを考えた上での樹種選定をお勧めします。

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